在宅と出社のハイブリッド時代に合ったオフィス家具とは?
- 康平 鈴木
- 10月7日
- 読了時間: 5分
コロナ禍を経て、多くの企業でハイブリッドワークが定着しました。社員がオフィスと自宅を自由に行き来するこの新しい働き方には、それに合わせた柔軟なオフィス環境が不可欠です。しかし、既存のオフィス家具のままで本当に生産性は維持できるのでしょうか?
今回は、オフィス移転や内装の変更を検討している企業の担当者様向けに、ハイブリッドワーク時代に求められるオフィス家具とその選び方についてご紹介します。
ハイブリッドワークがオフィスにもたらした変化
「オフィスに出社する日」と「自宅で仕事をする日」が混在するハイブリッドワーク。
この働き方は、従来の全員が毎日同じ時間に同じ席に座るという固定観念を根本から変えました。
1. オフィスの役割の変化
オフィスはもはや、ただ仕事をする場所ではありません。社員が直接顔を合わせ、活発なコミュニケーションやチームビルディングを行うための交流の場としての役割が重視されるようになりました。これにより、集中作業スペースだけでなく、偶発的な会話が生まれるような交流スペースやミーティングスペースの需要が高まっています。
2. 出社率の変動
日によって出社する人数が大きく変動するため、個人の固定席を設けるのは非効率的です。必要な時に必要なだけ利用できるフリーアドレスやABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)といった働き方が主流になりつつあります。
3. 働き方の多様化
自宅でのオンライン会議や、サテライトオフィスでの作業など、働く場所が多様化したことで、オフィス内でも様々な働き方が見られます。個人の集中作業、チームでの共同作業、オンライン会議、リフレッシュなど、それぞれの目的に合った環境が求められるようになりました。
ハイブリッドワークに対応したオフィス家具選びのポイント
これらの変化に対応するためには、オフィス家具にもいくつかの条件が求められます。
ここでは、具体的にどのような点に注目してオフィス家具を選ぶべきか解説します。
ポイント1:柔軟なレイアウトに対応できること
人数や目的に応じて、オフィス空間のレイアウトを簡単に変更できる柔軟なオフィス家具が重要です。
キャスター付きの家具:デスクやパーティションにキャスターが付いていると、簡単に移動させることができます。人数が増減したり、チーム構成が変わったりしても、その都度最適なレイアウトを素早く実現できます。
モジュール式の家具:連結や分解が可能なソファやデスクは、空間のサイズや目的に合わせて自由に組み合わせることが可能です。小規模な打ち合わせスペースから、大規模なコラボレーションエリアまで、多様なニーズに対応できます。
ポイント2:集中と交流を両立できること
ハイブリッドワークのオフィスには、個人の集中作業とチームでの交流の両方をサポートするオフィス家具対応が必要です。
集中ブース/個室ブース:オンライン会議や集中作業用に、周囲の音を遮断できる遮音性の高いブースは必須です。電話ブースのように1人用から、数人での利用が可能なものまで、様々なサイズがあります。
多様なミーティングスペース:立ったままブレインストーミングができるハイカウンターや、リラックスして話せるソファエリアなど、目的に応じて使い分けられるミーティングスペースを複数設けるのが理想的です。
個人用デスク:集中作業用のデスクは、高さ調整が可能な昇降式デスクがおすすめです。座りっぱなしでなく、スタンディングワークを取り入れることで、健康増進や気分転換にもつながります。
ポイント3:快適性と利便性の向上
社員が出社したいと思える魅力的なオフィスにするためには、快適で便利なオフィス家具が必要です。
人間工学に基づいたチェア:長時間座っていても疲れにくい高機能チェアは、社員の健康を守り、生産性を向上させます。特に自宅から持ち運ぶことができないチェアは、オフィスにこそ質の高いものを導入すべきです。
電源や充電ポートの確保:ノートPCやスマートフォンの充電は、オフィスで働く上で欠かせない要素です。デスクやソファ、ミーティングテーブルにコンセントやUSBポートが備え付けられていると、利便性が格段に向上します。
リフレッシュスペースの充実:カフェのようなおしゃれな空間や、休憩用のソファ、マッサージチェアなどを設置することで、社員のリラックスや気分転換を促し、創造性を高めることができます。
ハイブリッドワークに対応したオフィス家具導入の事例
具体的な導入事例をいくつかご紹介します。
フリーアドレスのオフィス
導入家具:キャスター付きのデスク、多様なミーティングチェア、個人ロッカー
効果:日々の出社人数に合わせて柔軟に席数を調整。不要なデスクスペースを削減し、空いたスペースにミーティングスペースや集中ブースを設置することで、空間を有効活用。
ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)のオフィス
導入家具:個人作業用のブース、共同作業用の大型テーブル、オンライン会議用の個室、リラックス用のソファ
効果:社員がその日の仕事内容に合わせて自由に働く場所を選べるため、生産性が向上。また、偶発的なコミュニケーションが生まれやすくなり、チーム連携が強化される。
サテライトオフィス
導入家具:昇降式デスク、高機能チェア、電話ブース
効果:自宅とオフィスの間の移動時間やコストを削減。本社と同等の快適な環境を提供することで、どこでも質の高い仕事が可能に。
オフィスは体験価値を提供する場へ
ハイブリッドワーク時代におけるオフィスは、単なる作業場所ではなく、社員にとって出社したいと思える場所である必要があります。
そのためには、社員一人ひとりの柔軟な働き方をサポートし、快適で生産性の高い環境を提供することが不可欠です。
これからオフィス移転や内装変更を検討される際は、ぜひ今回ご紹介した、柔軟性・多様性・快適性の3つの視点から、オフィス家具対応を考えてみてください。新しいオフィス環境が、貴社の働き方をさらに豊かにし、ビジネスの成長を加速させることを願っています。

